「商品炭素簿」は、商品のライフサイクルにおいて排出されるg-CO2eq(二酸化炭素換算量)を算出できるツールです。
算出は、二酸化炭素の排出量だけでなく、メタンなどの他の温室効果ガスの排出量も含めた形で実施。表示は、各温室効果ガスの温暖化係数を用いてCO2相当量に換算した値(排出原単位)で行います。
註:CO2eq(CO2 equivalent)は、温暖化係数を用いて各温室効果ガスをCO2相当量に換算した値です。
ツールの開発に際しては、国内の排出原単位や海外データベースを引用/加工したものを、基礎として活用しています。
基準が明確であるため本ツールは、サステナビリティ/商品企画/設計/開発/調達/マーケティングなど多様な領域の担当者が利用できます。製品単位での脱炭素の促進や、脱炭素に関する取り組みの社内外に向けた発信などにも、活用が可能です。
本ツールの開発は、ライフサイクルアセスメントの基準として国際的に活用されている規格に準じる形で、行われました。
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ISO 14067:2018 温室効果ガス — 製品のカーボンフットプリント — 定量化の要件とガイドライン
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ISO 14040:2006 環境管理 - 生涯にわたる評価 - 原則とフレームワーク
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ISO 14044:2006 環境管理 - 生涯評価 - 要件とガイダンス
「自主的に情報を開示するため、CO2eq排出量を算定したい」というニーズを持つ企業を想定して開発された点も、「商品炭素簿」の特徴です。開発に際しては、透明性も重視しています。利用者は、計算の過程を見ることができるため、CO2eq排出量を明快に理解することができます。
本ツールは、ユーザーの算定目的や排出原単位の妥当性といった観点から、製品の見直し/改善を継続して行う予定です。固定的な製品として提供するのではなく、常に最良の製品を提供することを考えています。
温室効果ガス排出量の算出は、「原材料調達」「生産」「物流・販売」「使用・維持管理」「廃棄・リサイクル」の5段階で行います。いわば「ゆりかごから墓場まで」のスパンで、ライフサイクルのアセスメントを通じた算出が可能です。
本ツールは、物量ベースの排出原単位を利用し、事業者の活動規模である「原材料の質量」「生産時に用いた電気・水道の量」「輸送や利用者における電気・水道利用量」「廃棄・リサイクルの質量」といったデータを入力することで、実施できます。